罪の匂いがする

予定が狂った
もう遅い
二度と元に戻ることはない
迂闊だった
あの邪魔な光を遮れば
俺たちはもっと輝けるなんて傲慢で
どうかしてたみたいだ
産むために生まれてきたっていうのか
愚かなことに 今日まで
食い散らかした血肉を思い出すこともなかった
腐らせまいと善意を持ったつもりで飲み込んだ
俺たちは アレで 生き延びた
今更気がついたところで 引き返せる道もない
夜は短い
俺のせいだ
こんな時に限って
散々にした約束を思い出してしまう
自らの罪を数えだしては
指11本目で心折れる
忘れる どうせまた
仕方がない
俺たちには諦めるなんて選択肢は用意されていないからな
逝くしかないんだ
ただそのために生きるしかないんだ
どれだけの月日をかけてでも
逝くしかないんだ
もうすぐ陽の光が差し込む
こんな部屋にも朝がやってきて
隣人が顔も知らない肉を焼く
罪の匂いがする
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