UMA

我々は生まれた時の快感さえ思い出せずに
生まれてきた喜びなどと賛美歌を歌い
あの日世界に起こされた大惨事のことなど露知らん顔で
二時を超え三次会まで楽しもうとした
まるでルサンチマンを放棄するかの如く
強欲な人の形をした程度の分際で 業を放ったつもりのUMAは今日も微笑
金色よりも虹色を欲した子供の成れの果て
大人の愛想がまた暴力を振るう日常
あれとそれの違いよりもあの男は彼の彼であることを理解しなよ
可哀想などと情け深い芝居を続けるくらいならいっそ
骨の髄まで かっくらい楽に死なせてやる一途
濁った海を晴らすのは悪との決別ではなく
必要悪との別居生活だと演説していた
あの人のステータスは金と名誉と愛人 だと知ることさえ汚わらしい
愛なんてあってないもの 慢心

裏の正解で生きるビリーヴ
誰も彼も生きてはイル

寄り添う人と人の影が重なりキマイラと化した
その様を見た少年は なに言えぬ恐れを抱いた

折り合う必要があった自らの心と体が水と油であったこと
それを二度と見ずに生きようなどと理想論では語れないもの

取り繕うこともなく怪物であると自覚した途端
死にたいと鬱に更け卑屈に 退屈や苦痛さえ忘れ
あといくつの夜を超えたとして
辿り着けない朝を想像し 消灯し 衝動に
身を任せてしまわぬよう 人としての矜持を思い直す
他人事にしてしまわぬよう 一言でいい 生きると
言い切ると 不思議と 息を飲むこと それさえも偉業の様な気がしてきて
遠いと思い込んでいた 天国へと 今すぐ向かって行ける気がしてきてふと
我に返る 僕は人ではない そう 人 以上 異常
史上 未だ誰にも分かられることのないUMA
いや
HUMAN

裏の正解で生きるビリーヴ
誰も彼も生きてはイル
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