一献歌

丸干しかじって 湯割りの酒を
飲めばこころが 温(あたた)まる
何も言うなよわかってる
男同士の腹の中(うち)
世の中いろいろあるけれど
ぐちを言い出しゃきりがない
四の五の言わずに まず一献

花見 月見に 雪見の酒と
理由(わけ)はなんでも つけられる
もてた昔をふり返り
自慢ばなしのくり返し
男が飲む酒かわいいね
夢とロマンが溶けあって
愉快にやりましょ まず一献

六分四分か 七三割りか
好み飲み方 数あれど
おれとおまえのつきあいは
うれし悲しみ五分と五分
男の友情酒の味
年齢(とし)を重ねて深くなる
今宵もしみじみ まず一献
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