初恋ペンギン

きみの声を聞くだけで
何もかもを忘れられた
きみと僕の初恋は
氷の上 歩き出した

仲間たちからはぐれても
きみと一緒にいたね
ぼくたちの冒険は
簡単ではなかったけど

あの丘の上で
まだ飛べないペンギン
不可侵な力が僕たちを責めるけど
ありったけの声で
いま歌い出せペンギン
吹雪が去って 新しい景色が現れた

溶け始めた氷を止める力は無いけれど
きみの期待に応えるよう
僕なりにはがんばったつもり
もう会えないかもしれないけど
きみのその憐れみの歌は
僕のいるところまで届くだろう

あの丘の上で
さあ、羽ばたけペンギン
翼などなくとも風を分け泳いでゆけ
心の海で
いま歌い出せペンギン
冷たい水の中 より深く潜ってゆけ

僕はもう眠るよ
きみに会えてよかった
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