男の傷あと

男は 恋を失くして しみじみ酒の味を
知るもので ございます

燃えた愛した 抱きしめた
あの日別れて 気がついた
恋の傷には 恋の傷には 沁みるけど
飲んで酔いたい 夜もある
呷(あお)る火の酒 未練捨てたい わすれ酒

男は いくつになっても 生まれ故郷は
恋しいもので ございます

ひとり地酒に 酔いながら
唄う故郷の 木挽(こび)き唄
夢に出て来た 夢に出て来た おふくろが
たまにゃ帰れと 泣いていた
日暮れ淋しい 雨の酒場のしのび酒

男は 熱く燃えながら
生きてゆきたいもので ございます

意地でこらえる 愚痴(ぐち)だけど
酔えばおもわず 口に出る
胸に熱い血 胸に熱い血 たぎらせて
せめて明日(あした)を 信じたい
遠い想い出 捨てて生きよう おとこ酒
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