みちのく夜汽車

霧(きり)の深さが 今更に
心を乱す 夜の駅
赦(ゆる)されぬ 恋ゆえに ためらいばかり
抱いて生きてた あなたへの愛
ベルに急(せ)かれる みちのく夜汽車

揺れる想いの 車窓(まど)ごしに
見知らぬ町の 灯(ひ)が潤(うる)む
再びは 逢うまいと 心に決めて
ひとり逃(のが)れる 旅路の雨に
募(つの)る侘(わび)しさ みちのく夜汽車

傷(いた)む心の 裏側に
切なく浮かぶ 面影よ
もう一度 逢いたいと 名前を呼べば
咽(むせ)ぶ汽笛に 千切(ちぎ)れて消える
声が哀(かな)しい みちのく夜汽車
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