もののふの花

春まだ浅い 磐梯に
気(け)高く開け 石割桜(いしわりざくら)
時代がいくつ 変わっても
弱い女と 言われても
ああ 武士(もののふ)の 武士の
心をまとい 岩に咲く

無骨な父は 語らずに
静かな母が 会津の姿
けなげに生きる 人の道
娘ながらも 受け継いで
ああ 武士の 武士の
心を結ぶ 紅の帯

「明日(あした)」と書いた その文字を
「希望」と読めと 無言の教え
昔を偲ぶ 城跡に
夢に黒髪 なびかせて
ああ 武士の 武士の
心を抱いて 風に立つ
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