なんだったっけ

お前に言いたかこと ずっとあったちゃけどさ
なかなか言えんかったけん 唄にして送るばい

あの日 おいの母ちゃんから急に電話があってからさ
お前のおいちゃん亡くなったって聞いてすぐにそっちに向かったんよ

そのバスん中でさ おいなんて言おうかずっと考えよった
「がんばりーよ」とか「泣くな」とか肩ポンとたたいたりとか

あれ?優しさってなんだったっけ?  ねぇ…

お前んちの庭をおいちゃんと一緒に耕したりさ
趣味で飼ってた熱帯魚にエサやったりしよったやん

お前の母ちゃんが部屋に座っとるの見たとき 思い出した
でもおいちゃん目つぶってさ ちっちゃい箱の中に入いとったんよ

そのとき涙は出らんやった もう帰りたかった
隣の部屋にお前がおったけん ばれんように下向いてた

あれ?友達ってなんだったっけ? ねぇ…

お前がおいに気づいてさ 真っ赤な目して喋ってきたんよ
「もうちょっと肩もんであげればよかったなぁ」って

聞いたその瞬間 ガキみたいに おい泣き出した
おまえもまた急に泣き出して おいにこう言ったんよ
「ありがとう」って

なぁ この思い届いているか?
なぁ この思い届いているか?

そう 優しさって言葉じゃないんだって
そう 優しさって心なんだって

今 その心を唄っているよ
今 お前やすべての人に
唄っているよ
届いているか?
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