コーヒーとコート

街を飛びててぼくと暮らさないかい
きっと寒いから上着は忘れずに
コーヒーが冷めるまえにおいでよ

きみの仕事もラクじゃないけど
いつかやめたらこっちに来なよ
過剰な期待はしないでおいでよ

まだ片道で
中途で貧相な妄想
きみと会って話がしたい
でもいつも同じ話で笑う

うれしい うれしい うれしい
きみといれば
ふたりだけのラブソングをうたおう
君は馬鹿な人ねと笑った

ぼくがいなくなったら
きみは悲しんでくれるかな
ありがちな気持ちを駆けぬけて
手のひらの隙間をうめる

うれしい うれしい うれしい
きみといれば
ふたりだけのラブソングをうたおう
うれしい うれしい うれしい
きみといれば
かわいい名前呼びたくてぼくは生きてる

きみは振り向いて笑ったあと、
冷めたコーヒーを飲んでコートをかけた
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