たまごやき

お財布の中に はいっている チラシの裏の 走り書き
文字も掠れて 破れてる 私が書いた 母のレシピ
小さなキッチン 小さな暮らし 後ろ姿の あなた
隠れるように レシピを盗む 反抗ばかりの わたしがいた

返事もしない わたしだけど こころの底では 憧れていた

あなたのように 作れるかしら 彼氏に自慢できる たまごやき
本当は最初に 食べて欲しかった あなたのレシピ たまごやき

あれから10年 早いものですね そらの向こうで 元気ですか?
わたしは今も ひとりもので ギターを抱えて 歌ってます

賑やかな街 歩いていると あなたの歌声 聞こえるようで

寂しくなると ひとりでつくる ホロリ涙の たまごやき
本当は一緒に 食べて欲しかった あなたのレシピ たまごやき

彼氏もいない わたしだけど あなたの「がんばれ」 聞こえるようで

結婚したら 作れるかしら 家族がよろこぶ たまごやき
本当は最初に 食べて欲しかった あなたのレシピ たまごやき

あなたに あいたい たまごやき
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