狐媚

また会えるよねと絡めた小の指
ゆめゆめ結ばれぬ2人

十と二の月一度ハレの日
一期一会の恋物語
きらきらの星映すビー玉
まやかしの心奪った

触れた手残る感触温もりと騒めき
戸惑う気持隠せずに頬を染めた

本当の僕が写らないことを知りながら自分を偽っていた
伝えられもしない『好き』の言霊
抱えたままで明日はない

朱い水玉 ふわふわ浮かぶ
宵に青刺せし五位の光
あと少しだけもう少しだけ
結んだ紙に願った

波打つ胸感じる呼吸と体温
九つ脈打つ瞬間頬を染めた

くるり廻る駒のように
天邪鬼に過ぎてゆく時間
御免ね紅に染めた菖蒲模様

また会えるよねと絡めた小の指
ゆめゆめ結ばれぬ2人

本当の僕が写らないことを知りながら自分を偽っていた
伝えられもしない『哀ひ』の言霊
抱えたままで明日はない

はらはらり
ゆらゆらゆらり
ゆらゆら消えていく灯火
はらはらり
ゆらゆらゆらり
消えた御伽話
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