冬椿

雪の重さを 弾く音
あれは椿の 吐息でしょうか
いいのいいのよ 誰よりも
愛されたくって 待つ女
あなた慕って 紅く咲く
好きよこの花 冬椿

写る女の 宿鏡
髪はみどりに 花くれないに
いいのいいのよ あなただけ
困らせないわと ひとり言
身体まるごと 耳にして
紅を走らす 冬椿

時をしずかに 刻む音
あなた迎えに 小走る私
いいのいいのよ 耐えしのび
その甲斐あっての 夢一夜
どんな運命(さだめ)に 遭おうとも
明日(あす)を生きたい 冬椿
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