幽霊失格

そんな夜を一人で歩いてる
ふいに後ろで誰かの気配がして
振り向いても誰もいないのはわかってるけど
夜の道を猫背で歩いてる
まるで飼い主を探す犬みたいだな
ガラスに映るのは君の幽霊

化けて
顔色悪い ちゃんと食べてる
怖いどころか心配だよ
寝る前に繋いだ熱い手を 寝起きで開けただるい目も
思い出させてばかり 君は幽霊失格

今日は珍しくまだついてくる
懐かしいとはしゃぎながら部屋のドアを通り抜ける さすが幽霊

抱きしめたとき 触れなくても
ちゃんと伝わるそんな霊感
座って用を足す癖 今でもまだ直らないまま
つくづく犬みたい

せっかくの丑三つ時なのに眠そうで
気づけばいつの間にか寝息を立ててる
まるでこの世のものとは思えない
写真にだけ写る美しさ

分けて
悲しいことも 苦しいことも
怖いどころか嬉しいんだよ
成仏して消えるくらいなら いつまでも恨んでて
なんて言わせる 君は幽霊失格
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