余白

空っぽになった日々が来るのがこわくて
スケジュール帳を埋めてゆく
余裕がないくらいに忙しい
そのほうが今はちょうどいいの

ひとりになってしまうと無駄なことばっか
考え出してキリがない
10年後の将来の不安とか
忘れてたあなたのこととか

思えば面倒くさがりで
言わば引きこもりなくせに
無理して外に出かけるようになったのは
あの頃から

手帳開いて書き足した
心の余白を埋める
悲しんでる暇もないほどに
ほんの一秒だけだって
空を見上げたらまた思い出してしまう
あなたのことを

友達から届いたドタキャンのメッセージ
予報外れの雨模様
仕方がないから今日は部屋でひとり
映画でも観て過ごそうか

思えばいつぶりだったかな
こうして暇を持て余すのは
ふたりでダラダラしてた日々
目の前を流れてゆく

あなたはきっと驚いて
今の私を見るのでしょう
「らしくない」とバカにするのかな
「うるさいなぁ」って呟いた
セリフが聞き取れない
ボリュームを上げた
「あなたのせいよ」

明日からまた慌ただしい毎日のくり返し
終わりなんてない
今日だけはそっと懐かしい痛みを抱きしめて
夢の中

それじゃあ、バイバイ またいつか
しばらく会えないけれど
私らしく今を生きてゆく
光が射して眩しくて
手をかざして窓の向こうを見ていた

手帳開いて書き足した
心の余白を埋める
悲しんでる暇もないほどに
ほんの一秒だけだって
夢で会えたならまた思い出してしまう
また好きになってしまう
あなたのことを
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