揺らぐ

荒波をくぐり抜けて たどり着いた港町
見知らぬ果実を かじるようになったあなた
あとに続こうと私も 貝殻おいて家をでた
不安がまさって あれもこれも 鞄に詰め込んだ

うまく泳げない 荷が重いな 空はどこ?
もがいてみてもあがれないのに なにひとつ捨てられず

まるで溺れたみたいなの あなたの声が遠くなる
見上げれば陽が揺らいで 未来をきれいに映した

波に飲まれてしまっても いつかは陽の目を見るよ
憧れた空は遠く どこまでも高いけど

よく耐え忍び 身を隠した 岩の影
生きてさえいれば 呪文のように 今日も繰り返してる

まるで笑っているみたいなの 白い月に手を伸ばした
すさんでいく心に気づき 怖くて仕方がないんです
悲しみをたくさん吸って ふくれあがった海月たち
ひらひらと髪をかすめ なぐさめるように泳いだ

強く蹴って浮き上がって あなたに声が届いたら
横に座って同じ唄 口ずさんでくれるんだろう
目に映った美しいもの すべてに涙がこぼれた
海では溶けてしまうけど 陽に照らされ輝いてよ
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