北慕情

北の岬の 灯台は
恋の闇路を 照らさない
海鳴り抱いて 女が燃えて
あなた恋しと 旅の宿
忘れるも 忘れるはずも ない人よ
あいやあいやと さわぐ胸

登りつめれば その果てに
心がわりが 待つものを
男が燃えて 女が燃えて
明日を誓った はずなのに
追いすがる 指先だけが 虚しくて
あいやあいやと 撥が泣く

風と波とが ぶつかって
冬へなだれて いく季節
恨んで恋を 汚したくない
明日も旅路は 続くから
傷ついた 傷口ふさぐ 手が欲しい
あいやあいやの いのち節
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