雨の鳴子路

とめるあなたを 振り切って
くるり背を向け 旅に出た
雨の 雨の 鳴子路 おんな傘
ひとり行く身の せつなさよ
泣いてみたって 帰らぬものを

美豆(みず)の小島の 蛍火は
どこで今夜は 身を焦がす
雨の 雨の 鳴子路 遠灯り
誰を偲んで 灯るやら
赤くぽつんと 小黒ヶ崎(おぐろがさき)に

せめて今夜は 戻りたい
夢の中では あの頃に
雨の 雨の 鳴子路 ひとり寝の
枕濡らして 聞くしぐれ
悔いております あれからずっと
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