雨と体液と匂い

濡れた指は、艶やかに誘う。
慰めてと呟いた、しなる背中締め付けた夜。

操られた僕の理性など。
捻じ伏せた官能に這う君の肌。

溶ける様に求め繋いで、囁いた君の声に従い続けて。

熱を帯びた頬を赤く染めて「離れたくないの」と。

白い布に染みついた汚れ、僕らはもう引き返す事が出来ず深い闇が誘う。

指先触れ見つけたのは君、
僕の口を塞いだ君の唇は冷えていて、
震えながらに抱きしめて、僕の中に溶け込んで一つに。

濡れた肌を撫でて吐息漏らし、虚ろな夢の様に。

指を噛む、舌が触れた、微かに甘く香り立つ。

匂い刺さる部屋は、薄暗く雨の音と響く声。
胸の鼓動、痛む程早く鳴り響く。
 
濡れた指は、艶やかに誘う。
慰めてと呟いた、しなる背中締め付けた夜。
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