風紋

北へ行けば 行くほど
花の彩りが 少なくなるように
こころのまよいが うすれてゆきます
息でくもる
窓の向うは サロマ湖
そしてその向うは 冬を運ぶ海
孤独になって はじめてわかる
飾る愛の 虚しさが 哀しさが

くらい顔を みせたら
他人はあやしむわ 女のひとり旅
あかるくふるまう 背中が寒いの
撫の小枝
くべるペチカの 赤い火
美幌ちぎれ雲に なぜか涙ぐむ
束の間でした 夢みた月日
それもさだめ ふりむけば つらいだけ

風が吹くたびに 海が哭(な)くたびに
変わる砂の丘
孤独になって はじめてわかる
飾る愛の 虚しさが 哀しさが
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