湯島の女

女に生まれて 来たことを
今更恨(うら)んで どうなりますか
湯島天神 白梅(しらうめ)が
泣いてはらはら 肩に降る
女って 切ないね
お蔦 切ない 湯島の女

別れろ切れろの 切り通(どお)し
諦めましたと 夜風が通る
義理のたてじま 黒繻子(じゅす)に
何故に馴染まぬ 江戸小紋
女って 哀しいね
お蔦 哀しい 湯島の女

恩あるお方に 従って
誠(まこと)に生きるも 男の誠
いいのいいのよ うつせみの
恋はこの手で 幕を引く
女って 淋しいね
お蔦 淋しい 湯島の女
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