父娘酒

どの面(つら)下げて 帰ってきたと
叱る父さん 目に涙
詫びる言葉も 声にはならず
切れた絆を 手繰(たぐ)って結び
こころ通(かよ)わす 父娘酒

世間の水の 苦さを知って
親の情けが 身に沁みた
なにも無かった 振りして今は
むかしばなしで 一合二合
夢に見ていた 父娘酒

無理しちゃ駄目と 顔見る度に
言ってみたって 上の空
丸い背中が 小さく見えて
世話を焼かずに いられやしない
それが嬉しい 父娘酒
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