泣き時雨

逢いに来たのに 傘もなく
髪が濡れます 乱れます
石の畳の 冷たさが
あなたの心に 似てますと
つぶやく唇 震えます
暮れて寂しい 泣き時雨

追えぬ運命(さだめ)に 振り向けば
未練橋です 迷い橋
離ればなれに 渡ったら
再(ふたた)び会う日が 見えなくて
身を切るように 凍(こご)えます
夜更(ふけ)て切ない 泣き時雨

水面(みなも)ゆらゆら 水鏡
なみだ落ちます むせび川
つのる恋慕(おもい)を 切り離し
木(こ)の葉(は)のように 流せたら
綺麗(きれい)な夢見て 眠ります
夜明け恋しい 泣き時雨
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