一歩

狭かった視界に映りこんできたのは
あなたの方でしょう
目を逸らしてみても
焼きついて消えないままの
あなたでした

責めているわけでも
浮かれているわけでもない
ただあなたに戸惑っているだけ
歩幅を合わせて

なんと伝えたらいいのでしょうか
見合う言葉が見つからなくて
首元まで向けられた視線も
やり場のなさに怖じ気付いて俯いた
その先に見えたつま先はあなたを捉えてる
私から一歩、近付いてもいいですか

調子などとっくに狂わされてしまったの
あなたのせいでしょう
手につかないルーティン
誰にも見られたくない
そう あなたにだけ

逃げてしまわないの?
離れてしまわないの?
ねえ まだ分からない
どこまで近付いたの
あなたとの距離

世界がこんなに鮮やかなんて知らなかったの
明日がこんなに恋しいなんて初めてなの
いい加減に気付いた
これはつまり落ちてしまった 恋に

なんと伝えたらいいのでしょうか
未だに声が小さく揺れて
なんともないように見えるあなたに
少しばかりね 悔しくなって
なんと伝えたらいいのでしょうか
見合う言葉が見つからなくて
言葉にならない気持ちはいっそ
言葉じゃないもので伝えたくて俯いた
その先に見えたつま先はまだあなたを捉えてる
初めての一歩、使うべきはきっと今だ
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