ひとりぐらし

頬のほくろに墨を入れ
もっと不幸になれという
そんな女が酔いどれて
歌う酒場の夜ふけ頃
ふたりぐらしは昨日まで
今日からひとり ひとりぐらし

宵の曇りが真夜中は
先も見えない土砂降りで
いっそ朝まで飲みたいと
細いうなじを傾ける
ふたりぐらしは昨日まで
今日からひとり ひとりぐらし

たった一人の弟が
所帯もったという便り
なぜかひんやりする部屋で
雨をみつめて吸う煙草
ふたりぐらしは 昨日まで
今日からひとり ひとりぐらし
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