あぁ御堂筋

あぁここは御堂筋
銀杏並木の向こうに
あぁアンタに
よう似た背中

隣の女性(ひと)を見つめる
アンタの顔は
ウチに見せたことのない
幸せの顔

御堂筋の匂いは
あの頃と同じ
アンタはこの匂い
好きやと言ってたね

あぁここは御堂筋
愛も一方通行
あぁアンタは
戻りはしない

夜のとばりがおりれば
今も疼くけど
ウチは幸せやったよ
アンタとおれて

御堂筋の人混みに
アンタは消えてく
さよならさよなら
幸せになってね

「こんなもんウチは堺筋みたいやないの!
アンタは隣の御堂筋ってか!
こんなに近くにおるのに!
こんなに近くにおるのにでったい交わらへんってことやんか!
そんなギャグじゃ笑わへんわー!」

御堂筋の匂いは
これからもずっと
ウチにアンタを
思い出させるけど
好きにはなれへんわ
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