花の乱

咲き誇る夢 散り急ぐ花
この世で儚(はかな)いものは 時の移ろい

寄せ返す波 泣き濡れた砂
人の営みにも似て 永遠(とわ)に繰り返す

女として 愛されたいと
それだけが本当(ほんと)は望み
生命(いのち)の限り

男として 真実(まこと)であれと
呪文のように願うのは
身勝手ですか

吹き荒れる風 舞い踊る木々
薄紅色(うすべにいろ)の吹雪に 愛も凍ります

十六夜(いざよい)の月 満ち潮の海
この世の習わし通り 満ちれば欠ける

ひとひらの恋 生き急ぐ日々
二度と帰らないものは 過ぎ去った季節

女として 抱かれたかった
黒髪でこの身を縛り
炎のように

男として 見事であれと
唇噛んで想うのは
薄情ですか

紅(くれない)の闇 一人寝の夜
溜め息つけば心が 千千(ちぢ)に乱れます
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