冷たい

「ねぇ 君がいま 瞬きをして
そしたら何もなくなっていたら?
まぁ私はまだここにいるけど
例えばの例えばの話だからさ」

終電の普通電車
三日月も寝転がっていた
この時間の天王寺は
みんな下を向いていた

溜まっていたのは
「ありがとう」と「ごめんね」の
下書き 下書きだけ

大切にできなかった
嫌いじゃなかったのに
気づくのが遅かった
近くで見てたのに
僕はまるで冷たい

悪口と別れ話
飛び交う電波を見ていた
君の声はおとぎばなし
みんな未来を夢見た

黙っていたのは
喉に突っかかる本音を
言えない 言えないだけ

なんにも響かなかった
嫌いじゃなかったのに
気づくのが怖かった
信じてくれたのに
僕はまるで冷たい

ねぇ もう一度 笑ってみせて
そしたら僕は笑えるから

大切にできなかった
嫌いじゃなかったのに
気づくのが遅かった
近くで見てたのに
僕はまるで冷たい
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