磯浜慕情

遠い岬の あの灯台は
日暮れ近づきゃ 灯をともす
海に出ていった 船人は
灯りめざして 帰るのに
私めざして 帰った人は
どこの鴎と 消えたやら

待ってみたって 男と女
所詮こうなりゃ もう駄目ね
こぼれ松葉を 指に巻き
ひとり歩くの 磯づたい
私を抱いて 誓った夜は
どこの海へと 棄てたやら

海はさみしく 暮れてゆく
遠くちらつく 漁火が
私めざして 帰った人は
どこの鴎と 消えたやら
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