落涙

夢に破れて 酒をみちづれに
何処(いずこ)をさすらう 汽車の窓
夜の暗さか 都恋しさか
光る星見りゃ 涙流れる

泣くな男だ 何も語るまい
別れの情(なさけ)が うそになる
花はやさしく 咲けよ幸福(しあわせ)に
俺は見守る 遠い他国で

霧笛きこえる 町もいいだろう
心をいやして くれるなら
結ぶ仮寝の 寒い夢にまで
何故に浮かぶか 恋の面影

北で夜明けて 北で黄昏(たそがれ)て
せつなやゆきずり 旅まくら
今日も無人の 駅をあとにする
さらば愛しき 女(ひと)に乾杯
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