三年待ち屋

店の名前は三年待ち屋
明かりぽつんとあなたを待つ店
おんなひとりが 郷里(くに)の地酒を温めて
あんた 恋しい
たとえ三年 過ぎたとしても

店に流れる恋唄聴けば
あれはひと夜の夢だと歌うの
遠い海鳴り あなた待つのは馬鹿ですか
寒い 哀しい
ひと夜ひと夜と重ねたけれど

店のあだ名は恋待ちぼうけ
明かり落とせば また酔い潰れて
せめて噂の せめて噂のひとひらも
あんた あんた
たとえ死んだと聞いたとしても

店の名前は三年待ち屋
暖簾染め抜き あなたを待つ店
窓の浜木綿 北には咲かぬ郷里の花
白く 白く 雪に咲かせてあなた待つ店
白く 白く 雪に咲かせてあなた待つ店
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