アンルート

乾いた喉を潤すために
コップの水をひと口飲んだ
幼い頃 転んで流した
あの涙の味がした

あれから私は変われたかな?
転ばずに歩けてはいるけど
道端に咲く花や石ころ
知らんぷり どこ吹く風

意味のないことは
全部ゴミ箱の中に捨てた
私が今生きている
意味もわからないくせに

はじまりはいつもすぐ傍にある
気づかずに通り過ぎているだけ
誰かに呼ばれたような気がして
振り向いた私の髪を風が揺らした

どこへ行くにも考えすぎて
道標ばかり頼りにして
自分らしくいれたら
今より上手に笑えたのにね

届かないって決めつけて
伝えずにいた言葉が
心の中 膨らんで
青空に浮かんでゆく

遠すぎてまだ先は見えなくて
現在地さえわからないけど

昨日よりも少し強くなれた
弱虫な私のことを褒めてあげたい

大切なものはきっと
そこにいるだけじゃ気づけない
歩き疲れ立ち止まるときわかるの

躓いて転んでしまったなら
大空に抱かれて眠ればいい
誰かに呼ばれたような気がして
目を覚ました 光の中

はじまりはいつもすぐ傍にある
その声を聞き逃さないように
どこまでも続く道の途中で
振り向いた私の髪を風が揺らした
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