愛・さすらい

男はただ一人 汽車を乗りかえて
湯の香せつない 街を行く
愛しちゃいけない 人故に
しあわせひとつも あげられず
あゝ傘もささずに 雨の中
あの人を想う

古びた宿帳に にじむ女文字
似てる名前が 胸にしむ
飲めないお酒に 酔いしれて
生きてく辛さを 忘れたい
あゝ部屋の 小さなさくら草
あの人が匂う

夕陽の海峡が 旅の終りなら
過去を沈めて 眠りたい
誰にも云えない 恋ごころ
背広に残るよ 移り香が
あゝ二度と逢えない 運命でも
あの人が欲しい
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