千年後

壊れる 暗闇が
はじける この色が
開ける 世界が
愛のないこの世界が
かすかに痺れる爪先が
匂う ぬるい風
始まる 世界は
何もないこの世界で

思い起こすいつかの方舟
気付き 忘れる
それの繰り返し

どこへ行っても迷うの
笑えればいいと思うよ
何もできず
僕は見ている
モノクロのこの景色

それでも
僕はいるよ
僕はここにいるよ
誰かいるの?
誰かここにいるの?

批評に 争いに
明け暮れた僕らが
千年後に残す
後味の悪い風
かすかに震える指先で
触れる 冷めた土
僕らの世界は
何度廓清されるんだろう

生まれ 栄え
驕り 滅ぶたび
気付き 忘れる
それの繰り返し

いつになっても迷うの
笑えればいいと思うよ
何もできず
僕は君を
愛しく思う だけが残る

それだけで
僕はいたい
僕はここにいたい
君はいるの?
君はどこにいるの??

いつもの朝
君はそこにいたよ
千年後の夢に
僕は何を思う?
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