惚れて千両・無法松

酒と喧嘩は 度胸と意地で
みがき鍛えた 車曳き
姓は富島 名は松五郎
何も持たずに 世に出た命
裸ひとつの 無法松

祇園太鼓を やぐらの上で
たたきゃ怒涛の 勇み駒
恋し名を呼びゃ 涙か汗か
情けこがして 提灯ゆれて
夏のさかりを 山車がゆく

小倉雀が かついで騒ぐ
おとこそのまた 男だと
かつぎだされりゃ 命もかるい
かつぎきれない 恋路はおもい
惚れて千両 無法松
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