YouTuberになればモテると聞いた

あの娘はクラスの一軍所属
俺はクラスの二軍に所属
授業中 一軍の男が手を挙げて
つまんねえギャグ あの娘笑ってた

地味な俺でも ダメな俺でも
親が買った服着てるよな俺でも
YouTuberになれば YouTuberになれば
モテると聞いたから買ったんだ
パソコンを ドンキホーテで

体育祭 敵チームの選手の中に
イカみたいな走り方する奴いたんだ
それを見た一軍の山崎が俺に
「柴田、お前にそっくりだなw」って言った

しょぼい俺でも ダサい俺でも
オウンゴール決めちまったような俺でも
YouTuberになれば YouTuberになれば
モテると聞いたから始めたんだ
さあチャンネル登録して

放課後 夕暮れの光差す教室で
あの娘は一軍の男たちとはしゃいでる
それはダメ そんなの恋が始まっちゃうじゃんか
俺は思わずそこに近づいていく
「なんだよ柴田」山崎が言う 俺は答える
「いや?なんだか楽しそうだな?って思ってw」
しーん 重苦しい空気
汗が出る 夕焼けが灼熱のようだ
変わりたい 変わりたい 俺変わりたいよ

YouTuberになれば
ツーブロックにすれば
オープンカーに乗れば
ロックスターになれば

すげえスターになって すげえ愛を誓って
泣きながら笑うあの娘を抱きしめんだ
そういうのがしたいんだ そういうのがしたいんだ
神様はいないから自分でやるんだ

そんでクソなあいつを
クソみたいな思い出を
全て忘れてあの娘と踊るんだ
そういうのがいいんだ そういうのがいいんだ
俺は主人公(ヒーロー)になりたいんだ
さあ行こうぜ ドンキホーテへ

さあ!ドンキホーテへ!

ゴー!ゴー!ゴー!ゴートゥー!
手の鳴るほうへ!
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