杪夏

小さな氷を混ぜて 風鈴みたいねと涙隠して笑って見せた
止まない通り雨より ひどい僕の答えが濡らした うつむくまつ毛

何も求めない君に 本当に何ひとつあげられずに 辛くて
君を遠ざけた

虹が浮かぶ独りの空 綺麗で憎かった
連なる鮮やかな思い出が消えないよ
もしも今 君の胸の中
同じ色で あの夏が移ってたらいいのに

風が強い浜辺で 火薬の匂いの中 誰かの手持ち花火
見てる方がいいねと 静かに寄り添う君 僕はうなずくだけで

儚い火花のように やけどするくらいに 愛でも語れたなら
君といられたかな

言い訳さらう水しぶき 冷たくて痛かった
繰り返し訪れる後悔が消えないよ
もしも今 君の胸の中
同じ音で あの夏が流れてたらいいのに

無言の僕は Lonesome Days
戻らぬ過去に I'm sorry

巡る季節よ あの頃に連れてってくれないか
壊してしまった愛しい時間の中へ
もしも願いが叶うのなら 同じ君に今すぐに会いたい

虹は乾かずに 波は途絶えずに
移ろうことない杪夏よ
もしも今 君の胸の中
同じ色で あの夏が映ってたらいいのに
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