赤いすずらん

わたしが あなたを うらぎるか
あなたが わたしを みすてるか
そんな話も しましたね
愛を契った あのときの
あのすずらんが 赤い実つけて
降りつむ雪に 泣いている

どうして わかれて しまったの
だれかに よこから とられたの
いいえ すべてが 運命(さだめ)でしょう
花は枯れても なお生きる
このすずらんの 赤い実だけは
わたしの涙を 知ってます

可愛いおしゃれな 服を着て
訪ねてきたのよ 知床へ
これが出直す ひとり旅
きっと わたしを 待っていた
そのすずらんの 赤い実ひとつ
つまんで そっと くちづける
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