平尾台の四季

春浅き
すすきの枯野を
ひた走る瞭原の野火燃えさかり
そっと顔出す つくしんぼ つくしんぼ
春は近しと石の羊よ

夏の草原
緑は深くいく重にも
周防の潮かぜ雲に乗り
運ばれてきた涼風に 涼風に
暑さをしのぐ石の羊よ

秋深く
銀色のすすきの穂は
ゆれゆれて ゆれゆれて
かぼそくなった虫の声 虫の声
子守唄にきく石の羊よ

冬花火 ドンドンドドンと
雪の台地を染めつくす 染めつくす
音と光の競演に 競演に
拍手を贈る石の羊よ 石の羊よ
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