届かない

照れるとすぐおどけて 笑ってみせたり
君の仕草は嘘がつけない
必死に隠そうとしてみても分かってしまうよ

嬉しい事があると 鼻歌歌って
悲しい時も平気な振りして
笑ったりするから余計心配だよ 君は

喧嘩しても次の日には
忘れたように振舞っていただけで
違ったのも気づいてたよ
少しずつ離れていた距離にも

カラビナからひとつ 鍵が消えただけ
家のポストに返す時も
そこの角から曲がって来るような気がしてた

君との下らない やりとりを消して
ロック画面を変えてみても
写真フォルダ空にしてみても駄目だった

思い出してしまうんだよ
君の少し変な癖も声も 困った顔も

あっという間に終わったね
永遠にも思えていたのに
寝息が聞こえる距離から
さよならまで離れていたんだね

ラララ 鼻歌混じりで 手繋ぎで歩いた通りを
少し離れて歩いたよね
どんな時も笑っていた君がさ
なんであの時だけ黙ってたんだ

秋空イワシ雲の下
サヨナラさえ言えなかった
届きそうな後ろ姿
見つめるだけの僕と君の距離

振り返って手を振ったり
「またどこかで会えたら」とか
君らしいやと思ったけど
最後だけズルいよ
泣かないでよ
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