浮世

この世をたゆたう僕らは
違いばかり ありふれた
不確かで淡い たったひとつの群れ

思想や居場所を囲って
共感したり レースしたりして
無意識に孤独を避けて 笑う

何も埋まらない 妙な穴 隠して
何者かであるような 表情で

線と数で歪む 小さやかな球
愛憎 絶望 希望 アイソレートして
ヒステリックな普通がのさばる

想像と勘を黙らせるように

救いようのない夜を越え
生きようとする本能さえ
この世ごと貪るように食う
僕らのこの煩悩は蹴散らせ
かりそめのファンファーレも
冷めた目も ダリも レノンも

“Nothing's gonna change my world”

何も埋まらない 妙な穴 さらして
何者でもないような 表情で

ただそこに在るだけ

どこまでも行く
まだ何も知らないこの世界で
そのままでいい

飾り狂う時代にさよならを
正解はいらない
変わり続ける 街も人もみな
価値はここに在る
この身は未だ愛に溢れている
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