こころよりじゆう

木漏れ日が 川幅の合間で落ちあう

無数の窓ガラスも そこに加わるなら
まだ飽きはこない

合唱してるみたい

歩き方を気にする
シャツの揺れ方さえも

自意識が溢れて
掌がポケットの中に逃げこむ

思い出したことを忘れようとする

ころがる瞳
ころんだままの舌

きみに光を突き刺せたら
ボールを捨てた
あの橋の上で
きっと唄が生まれる

花束を塗りつぶしたようなやつ

透明な階段を登る
普通の日
あの日のことを
あの瞬間を

もったいぶって つい にぎりしめてしまう

どうでもいい  どうでもよくない
どうでもいい どうでもよくない

どっちだよ

どっちもだよ

しばらくは まだ
おしゃべりな人差し指が相棒みたい

声と視線の関節

匂いが浮かぶなら 浮かれる

詩人の速さで
咎を振りきり
駆け出して止まらない

こうして言葉が走るとき

ぼくは なれる

心より自由に
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