花供養

「分かりますとも ひと目みて
娘さんだと 貴女のことは」
この日は母の 花供養
そっと微笑む そのひとの
肩のむこうに 揺れる花
来てくれましたよ お母さん

季節はずれに この花を
母に手向ける 優しさ深さ
その花 母の 好きな花
ひとり通して また守り
生きた母にも あった春
小さな誇りよ お母さん

坂を下りてく そのひとの
うしろ姿に 舞う花びらよ
私もやがて 母になる
同じこの道 辿っても
そうよしません 後悔は
しあわせでしたね お母さん お母さん
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