1994

カバンも腕時計も 捨てて逃げよう
ターミナル 届いたって 何もないけど
風船の帆を張って 果てまで飛べ
割れてしまったって 幸せだよ

スローモーションでゆらいでいる
うだるような 夏の温度で
あなたがくれた アイスのように
平成は空にとけた

あのチャイニーズは今も 綺麗に笑う
酒を飲むようになっても 死ぬのは怖いまま
風邪をひかなくなって シロップの味を忘れた
失くしてしまったボールは あの日のまま

最高速で流れていく
夢のような 夏の速度で
あなたが吹いた シャボンのように
平成は空にとけた

窓からとんで はだしで走った
訳も分からぬまま 涙を拭いて
埃をかぶった ピアノの色
鍵盤の重さとかも この手が覚えてる

スローモーションでゆらいでいる
うだるような 夏の温度で
あなたがくれた アイスのように
平成は空にとけた

最高速で流れていく 想いが
高く上がって 消えてくように
平成は空にとけた
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