酒なさけ

こぼす涙は 隠せても
胸の辛さは 隠せない
酒よ お酒よ ねぇお酒
逢わせておくれ あの人に
女ごころを 知りもせず
やがて暦も ふたまわり

いつもしあわせ 探す度
なぜか不幸の くじを引く
酒よ お酒よ ねぇお酒
流しておくれ 切なさを
雨が背中に 沁みる夜は
未練ばかりが からむから

皐月 水無月 身を焦がし
葉月たたんで 秋がくる
酒よ お酒よ ねぇお酒
酔わせておくれ しみじみと
帰りたくても あの日には
帰る夜汽車も 船もない
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