ひなげし小唄

籠にかわれた 小鳥さえ
青い空みて 泣くものを
まして添われぬ 二人なら
私しゃあなたの 胸で泣く

誰が咲かせた 赤い花
街のネオンに 燃える花
ひと夜限りに 散ったとて
知っているのは 月ばかり

惚れているよと 口説かれて
惚れた私が 悪いのか
女ばかりが 泣かされる
男ごころの仇情け

摘んで抱かれる けしの花
枯れてしまえば 捨てられる
人目盗んだ 四畳半
過ぎた昔は 返らない

私しゃ日陰の けしの花
ぬらす枕の なみだ花
いとしあなたを ひとすじに
よわい女は 生きるのよ
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