灯り

秋から冬へ 哀しみの
涙たたんで 旅仕度
優しさはぐれ 恋はぐれ
あの人は いない
あゝ あゝゝ 北の海峡 独りで渡る
船の 船の 夜の寒さよ
温もりが ほしい…。

あの日の愛は まぼろしか
燃えた 情けは かげろうか
思い出いづこ 花いづこ
面影が ゆれる
あゝ あゝゝ 罪な この世の約束なんて
どうせ どうせ ガラス細工ね
こなごなに 割れる…。

涙の彩を にじませて
命凍える 雪が舞う
幸せはぐれ 夢はぐれ
あの人は いない
あゝ あゝゝ 北の海峡 未練が揺れる
明日は 明日は せめて抱きたい
やすらぎの 灯り…。
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