稜線の旅人

稜線の 向こうに
あらたな山の 尾根が続くよ
あゝひとりゆく 旅人に
山肌の 小さな花が
そっと優しく 迎えてくれる

枯草に 憩えば
ほのかに甘い 恋のかおりよ
あゝ想いでを つゝむよに
さわやかに 頬吹く風が
そっと季節の 暦をめくる

岳頭に 佇み
はるかな尾根に 心馳せるよ
あゝいつかまた あえる日を
稜線に 想い抱けば
そっと茜の 夕星ひかる
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