人々の言うように

私は母と 古いアパートに住んでいる
カナリヤと亀と 一匹の猫が友達さ
母を休ませて 買物にでかけ 料理もする
洗濯もするし 時には自分で ミシンも踏む
仕事は大した 仕事じゃないけど 芸術さ
夕暮れになると 女に身をかえ 店に出る
ストリップをやって全部脱いじゃうと人の目が
驚いたように 私をみつめる
私は ‥ホモなの

夜明けの四時頃 食事に行くのよ 仲間たちと
スナックに入り おしゃべりするのさ 気がねなく
はなもちならない 奴等をやっつけ 笑いとばす
毒のあるシャレと おカマの言葉と ユーモアで
人の目を引くよに 歩いてみせるの しなをつくり
時代おくれだよ 眉をひそめてる 人がいる
ひやかしの声や あざ笑いなどは 気にしない
本当なんだもの ごらんの通りの
私は ‥ホモなの

朝日が昇ると 孤独な運命(さだめ)が やって来る
かつらをはずして まつげをとるのさ 疲れはてて
眠れないままに 心に芽ばえた 恋を思う
神様のように 美しい顔の 少年を
だけどあの人に 私の想いを 告げないわ
きっと あの人は 今頃女の 胸の中
責任をとるのは 私なのだから 誰一人
私を責めたり 裁けはしないの
私は ‥ホモなの
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