お嬢さんとこいさん

わたしは東京 わたしは大阪
東京はお嬢さん 大阪はこいさん
だけど二人はいつも 同じこゝろで暮す
思いがけない時に 彼に逢えば
「いややわ うち どないしょう」
「あらいやだ どうしましょう」
たとえ言葉は ちがっても
若い娘のこゝろは 一つ

銀座の並木 並木は御堂筋
東京タワーよ 大阪城よ
だけど二人はいつも 同じこゝろで暮す
彼がにっこり笑い お茶に誘えば
「おおきに ほな よばれるわ」
「有難う じゃ 頂くわ」
たとえ言葉は ちがっても
若い娘のこゝろは 一つ

かぼちゃんはなんきん お汁粉はぜんざい
がりがり亡者は がめつい奴よ
だけど二人はいつも 同じこゝろで暮す
彼が見て見ぬ振りで 通り過ぎたら
「好かんわ なんやねん けったいな」
「嫌いよ なにさ やな感じ」
たとえ言葉は ちがっても
若い娘のこゝろは 一つ
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