潮鳴り岬

北の果てまで 逃れてみても
なんで面影 ついて来る
世間が許さぬ 恋ですと
知っていました はじめから
あなたのためです 身を引いて
ひとり涙の 潮鳴り岬

口紅(べに)の色さえ 目立たぬように
逢瀬(おうせ)重ねた 隠れ宿
あなたの優しさ 思うたび
熱くなります この胸が
女の愚かさ 叱るよに
潮風(かぜ)が頬打つ 潮鳴り岬

波に揺られて 一羽の鴎
連れにおまえも はぐれたか
幸せでしたと つぶやけば
岩に飛沫(しぶき)が 砕け散る
あなたを忘れて 生きて行く
決めて最果て 潮鳴り岬
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